古代ローマ時代、花の女神フローラの町として誕生した芸術の古都
フィレンツェ。そこからおよそ北西に位置する伝統の街プラト(Prato)。
プラトは繊維・織物工業で繁栄した美しい街として、
『イタリアのマンチェスター』とも呼ばれていた。
我々、日本人にはあまり馴染みのない街ではあるが、
イタリア国内での生産量はナンバーワンとされているのだ。
そんなプラトの古都で、春はまだかと冬眠している動物のように
ひっそりと息を潜め、眠っている素材(Materiale)に出逢った。
それは言い伝えにある虹のかけ橋を渡る話(Arcobaleno)ではないが、
ロールに巻かれ、橋のように並ぶそれは虹の橋そのものであった。
そう、それがすべての始まりである。
現代ではめまぐるしいほどの情報網や技術が発達。
それによりたくさんのファッションアイテムが生まれてゆくなかで、
どんなに手を尽くしても生み出すことのできないものがひとつだけある。
そう、それが『Materiale di Prato』プラトの素材なのだ。
それはひとつひとつが織られたまま、経年変化という手を加えること
ができない唯一の加工がほどこされ、世界中を探してもそこにあるもの
を残して二度と生み出すことのできない、存在しないものである。
まさにデッドストック、ヴィンテージとはこのことであろう。
いつ、どこで、何のために生まれて来たのかは分からないが、
ただそれは、イタリアはトスカーナ、プラトにあるということ。
そして、本来あるべき姿へ創造するということ。
過去から現在へかけられた虹の橋(Arcobaleno)。
それはフランス、イギリス、アメリカ、そしてイタリアの装飾文化
を通して創造された物語。
本来あるべき姿にそっと形を変えて・・・。
イタリアはプラトにあるデットストックのヴィンテージ素材をひとつとし、フランスのワークテイストやイギリスのトラディショナル、アメリカンヴィンテージやイタリアのクラシックエレガンス、そして各国のミリタリーや存在してきた過去から現在に至るまでの様々な背景や要素(スタイルやディティールなど)をコンセプトにしたリアルクローズです。
19世紀前半に米国労働者が着用していたワークシャツのデザインをベースに、タックイン・アウト可能
な着丈とノンストレスな細身のシルエットに仕上げました。
繁栄を意識したステッチワークは英国のドレスシャツのようにピッチを細かく、上品さとクラシック感
を演出。そして没落した時代観を演出するために本来プルオーバーであるものを、前立て部分につぎはぎ
したような前開きデザインに仕上げ、ボタンも後から付け加えたかのように少しずらした配置付けをする
など、時代観を演出しています。
素材も経年変化という手の加えることが出来ない最高の加工が施されたデットストックのヴィンテージ
マテリアルを使用し、001はブルーシャンブレーのツートンカラー、002はライトブルーとグレーのコット
ンリネン素材、003はナチュラルメランジのコットンリネン素材を使用しています。
ボタンも同時期に仏国のアンダーウェア等に見られる共生地で施された包みボタンを使用しています。
決して交えることの無い各国のファッション文化が、ここ異国の地ニッポンでひとつになった、二度と
創ることの出来ない限定シャツNavataです。
1960年代に米国で流行したIVYルックやトラッドスタイルの定番とも言えるボタンダウンシャツをベースに、
伊、仏、英と表情がそれぞれ違う3種の生地を使用し、クラシックなプルオーバーシャツに仕上げました。
001(伊)はブルーグレーのシャンブレー地に赤や青、黄色などのステッチデザインが施されたデットストック。
陽気なイタリア人らしい遊びと伝統が凝縮したユニークな素材となっております。
002(仏)は右岸の某有名ブランドも使用したラミーと超長綿の混紡による高級素材になります。打ち込みが強いためしわになりにくく、肌に触れたときの滑らかさが抜群です。
そして鮮やかな色目が爽やかな印象を与えてくれます。着心地という名の感覚を肌で感じてみてください。
003(英)はヴィンテージ素材のグレイシャンブレー地にオフホワイトが栄えるクラシック・ロンドンストラ
イプになります。洗う度に素材が雰囲気を増し、凛としたストライプが立体的な表情をかもし出す上品な素材
になります。
始まりは、1960年代は米国シアトル(Seattle)にて『ピーツ・コーヒー&ティー』が登場。
休日の晴れた昼下がりには、シガレット片手にコーヒーを楽しむIVYボーイが被りのシャツを着ている。
50年経った現代、各国では少しだけ色を変えて同じ光景を見ることができます。
『ピーツ・コーヒー&ティー』馴染みのない名前ですが、あのスターバックスコーヒー(創業当初の名前)と
言えば分かるでしょう。いろんな文化を発進したシアトルから現代に、そして各国の文化が凝縮して創造され
たひとつの形、Seattleです。
18世記から現代に至るまで変わらず続くフランスのワークウェアはファッション業界においても欠かせない
存在となっています。
そのフレンチワークをベースに各国の様々な要素を加えて凝縮させたひとつの形、Rouenです。
001はコットンリネン素材のベージュ・ナチュラルストライプをベースに、前立てとポケットをカーキ・
ナチュラルストライプの、別生地コットンリネン素材で仕上げた風合い感じるツートンタイプになります。
一見派手な印象を与えますが、素材の雰囲気と落ち着いた配色のバランスがとても絶妙です。
002と003はコットン素材のブルーシャンブレーを2種類かけ合わせた、こちらもツートンタイプになります。
互いにベースやポケット、前立ての素材が異なるのでシャンブレーでもまた違った印象の仕上がりになります。
ステッチワークも少し太めの20番を使用し、ピッチを細かくすることでヴィンテージのような雰囲気を演出し
ております。
ルーアンはノルマンディー公家の首都として栄え、ジャンヌ・ダルクが処刑されたことでも知られている町。
そんな歴史のある町に幾度か訪れ、いろんなことをイメージしながら街並みを散歩した。
路地を抜け、モネの連作で有名な大時計の門を潜ると古い木骨組の家が立ち並ぶ綺麗な広場があり、そこには
カフェやレストランが軒を連ね、そこで働くひとりのギャルソンがふと目に留まった。
シャツにジレを合わせ、エプロン姿という至って普通の光景ではあるが、なぜかとても佇まいが良かった。
そんな数多の記憶のひとつ。そして佇まいという意味から形になったひとつ。それを身に着けることで初めて
ひとつになる。それが本来あるべき姿の佇まいであり、こうしてひとつの形になったRouenです。
White cliffs of Dover(ドーバーの白い崖)として有名な英国の港町、ドーバー。1670年にはチャールズ2世
とルイ14世との間で、英国と仏国とのドーバー条約が密かに行われる程の重要な拠点でもありました。
そのチャールズ2世はヨットの語源を創り、NAVYやマリンファッションに多大なる影響を与えた人物でもあり、
そんな時代のデッキ(船上)で繰り広げられたクルー(乗組員)の物語をイメージして創造しました。
001はネイビーブルーのコットン混紡ヘリンボーン素材になります。織り具合がニシンの骨に似ていること
はご存じだと思いますが、何より軍服に用いられる程の耐久性が特徴です。そして杉綾の目がふっくらと立体的な表情をかもし出し、肌触りも柔らかで軽い仕上がりとなっております。
002はブルーシャンブレー素材に白と青のステッチデザインが施されたストライプになります。現代にはない風合いとステッチデザインが特徴で、洗う度にステッチ周辺がパッカリング(縫い縮みやひきつれ
による歪み)を起こし、表情豊かな素材感に良変していきます。履き込む度に増す『味』を感じてみて下さい。
003は生成メランジのコットンヘリンボーン素材になります。001とは異なり杉綾の目が太く、ハリ感のある
耐久性抜群の素材となっております。3タイプの中では縮率が最も高いので、一番細身のシルエットになります。
ステッチワークは全て30番を使用し、ピッチは細かくヴィンテージ感を演出。そしてフロントの右ポケット前
には女遊びの激しかったチャールズ2世の為に考案されたコンドーム(専属医師のDr.コンドームが牛の腸膜で
創造)が入るサイズのベイビーポケットを施すなど、背景を遊びに変えて表現しました。
長い歴史の中で規律と道楽、そしてデッキ上で創造されたクルーの物語、Doverです。
◇ヴィンテージ特有の経年変化した雰囲気や素材感が特徴的で、
加工した商品にはない自然な風合いが楽しめます。
◇素材にもそれぞれ限りがあるため、少量生産の限定品になります。
◇同じデザインやサイズ表記が同一であっても使用する素材によって
表情や縮率が異なる為、多少の誤差が御座いますが、ご了承下さい。
◇素材表記につきましては、古いものであったり各部位によって異なる
ため、おおよそで付けています。あらかじめご了承下さい。
◇ほとんどの素材が古いものになりますので箇所によっては多少の劣化
や汚れがみられる場合もございますが、あらかじめご了承下さい。
また、洗濯の際には色落ちや生地が劣化する可能性もございますので、
必ず洗濯ネットに入れ、色移りするものとは一緒に洗わないようご了承
願います。
◇基本的にデッドストック(未使用)の素材になりますが、経年変化や
素材に限りが御座いますので中古品として取扱いさせて頂きます。
また、中古品として取扱いさせて頂きますので、返品交換等は致しか
ねますのでご了承下さい。